• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

複層林化の窒素・炭素循環に対する影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22510016
研究機関北里大学

研究代表者

馬場 光久  北里大学, 獣医学部, 講師 (70286368)

研究分担者 眞家 永光  北里大学, 獣医学部, 講師 (00453514)
高松 利恵子  北里大学, 獣医学部, 講師 (90327461)
キーワード長伐期施業 / 大気由来の窒素沈着 / 窒素飽和 / 窒素無機化 / 土壌呼吸 / 物質収支
研究概要

長伐期施業の進められているスギ林あるいはスギーヒノキアスナロ(ヒバ)林において大気由来の窒素沈着の物質循環に対する影響、およびヒバを含めた下層植生の物質循環の役割を明らかにすることを本研究の目的とした。
スギーヒバ林では、スギの本数密度の低下により林内雨量が増加し、スギ林の下層植生通過雨量に比べて600mm以上多かった。浸透水量は深さ0-10cm層においてスギ林で120mmの減少であったが、スギーヒバ林では340mm減少した。これは、スギーヒバ林においてヒバとともに発達した林床植生による吸収によるものと考えられた。窒素溶脱量は0層、0-10cm層においてスギ林で60mmolcm-2であったのに対し、スギーヒバ林では7mmolcm-2であった。またスギーヒバ林では5~10月に溶脱量が負の値となり、下層植生により吸収されたと判断された。加えて、スギーヒバ林では0層においてカリウムの溶脱量が多かったが、0-10cmでは溶脱量が負の値となり、土壌への蓄積、下層植生の吸収によるものと推察された。レジンコア法により窒素無機化量を評価した結果、年間無機化量に有意差は見られなかったが、スギーヒバ林で多かった。また、スギ林では無機化された窒素のほとんどがアンモニア態窒素から硝酸態窒素に形態変化していた。これは、土壌pHがスギ林において相対的に高いため硝化作用が起こりやすいためと推察された。レジンコアの培養前後で土壌pHを比較すると、スギ林でpHの低下が見られ、硝化作用の際に生成される水素イオンが影響したと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Contribution of understory vegetation in a Japanese cedar plantation to minimizing nitrate leaching.2010

    • 著者名/発表者名
      Baba M, Abe S, 他3名
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research (DOI 10.1007/s10310-010-0244-3)

      巻: 16

    • 査読あり
  • [学会発表] 窒素制限下の森林における渓流の水質と窒素流出2010

    • 著者名/発表者名
      馬場光久・眞家永光, 他3名
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌)
    • 年月日
      2010-09-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi