研究課題/領域番号 |
22510021
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
清野 直子 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (70354503)
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研究分担者 |
青柳 曉典 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 研究官 (10442740)
内山 明博 気象庁気象研究所, 気候研究部, 室長 (50354460)
山崎 明宏 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (40278106)
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キーワード | エアロゾル / ヒートアイランド / 温室効果 |
研究概要 |
1.都市における放射量の精密観測 (1)都市域における下向き赤外放射量の観測と解析 都市における大気からの下向き赤外放射量の高精度データ取得を目的として、周辺の地物の影響がない東京家政大学(東京都板橋区)の屋上での観測を継続中である。このうち、雲の影響を受けない快晴条件下で観測された赤外放射量について、郊外の観測点である高層気象台(茨城県つくば市)の観測データとの比較を行った。その結果、下向き赤外放射量は東京のほうが大きい傾向があり、時刻別に見ると、夜間にその傾向が強いことがわかった。これは主に2地点間の下層大気温度の違いに起因すると考えられるが、その他の要因の影響についても確認する必要がある。 (2)フーリエ変換赤外分光器による特別観測の実施 赤外放射の分光スペクトルを確認するため,上記観測を行っている東京家政大学においてフーリエ変換赤外分光器(FTIR)による特別観測を秋季と冬季におこなった。今後、解析を進め(1)の要因分析等に活用する予定である。 2.放射伝達モデルによる下向き赤外放射の定量評価 (1)計算の実行および観測との比較 中程度の波長分解能を持ち、赤外領域での吸収・散乱過程を含めた鉛直1次元放射伝達モデルにより、放射伝達計算(約100例)をおこなった。つくばにおいて観測された2011年の快晴時の気温および水蒸気の鉛直分布を入力条件に与えた。エアロゾルの影響がないと仮定して計算された下向き赤外放射量を、高層気象台における観測値と比較したところ、計算された下向き赤外放射量は過小評価となっていた。モデルの大気下層における鉛直分解能等を検討するとともに、都市と郊外の気象条件やエアロゾル特性の違いが下向き放射量に与える影響を定量的に議論する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東京における赤外放射観測を順調に継続し、また本年度は連携協力者の参加によりFTIRの観測を予定通り実施することができた。放射伝達計算についても観測との比較から基本的な再現性を確認している。
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今後の研究の推進方策 |
東京における赤外放射データの取得を継続し、都市における放射量の気象条件との関わりについて、FTIRの観測結果とあわせて解析を進める。また、モデル計算からも気象条件やエアロゾル特性の違いが下向き放射量に与える影響を定量的に議論する予定である。
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