研究課題/領域番号 |
22510027
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
道上 義正 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (90190678)
|
研究分担者 |
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
|
研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
キーワード | 多環芳香族炭化水素類 / アレルギー疾患 / 大気汚染 / 環境 / 健康影響 |
研究概要 |
本年度は,大気粉塵濃度(TSP)に影響を与える気象因子について2011年1月~6月のデータを用いて検討した。また,TSPに付着した多環芳香族炭化水素類(PAH)や重金属に対する気象条件の影響についても検討した。TSPやPAHの月ごとの変動について,2011年1月~6月と2011年11月~2012年6月と2012年11月~2013年3月のデータを用いて再検討した。 その結果,TSP濃度は降雨量や平均湿度と有意な負の相関が,日照時間と有意な正の相関があることが分かった。また,最大風速の風向が西南西や南西や南南西(南西方面)の時,それ以外の風向に比べてTSP濃度が有意に高かった。風向が南西方面の時,PAH濃度も高い傾向にあった。TSP濃度の高い日や気象庁で観測された黄砂日の多くが,南西方面の風向であった。さらに,風向が南西方面で雨が降っていない時にTSP濃度が高いことが分かった。風向が南西方面の時,鉛濃度も高く,人為的発生源由来の大気汚染物質が運ばれてきていることが示唆された。 TSPやPAHの月ごとの変動は各年で同様の傾向が認められた。TSP濃度は春に高く,PAH濃度は冬に高いことが分かった。5環のPAHに対する4環のPAHの比は,5月や特に6月に低いことが分かった。夏場に向かい,揮発性の高いPAHがガス状で存在する割合が高くなると考えられた。 中国からの越境汚染をはじめとした大気汚染物質による呼吸器疾患への影響が懸念されており,大気汚染物質の飛来(や国内由来の上昇)を予想できれば,マスクをするなど対策をとることができる。したがって,本研究で得られた結果は,大気汚染物質による呼吸器疾患への影響を予防するために意義のあるものである。また,毎日サンプリングして得られたTSP濃度やPAH濃度の月変動は,環境モニタリングの基礎データとして意義のあるものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|