研究概要 |
(1)ヒゲナガカワトビケラ絹糸腺タンパク質Smsp-2,-3,-4のN末端アミノ酸配列をもとに設計した縮重プライマーを用いたPCR法により、絹糸腺cDNAライブラリーから各遺伝子のクローニングを試みた。現状では、Smsp-2,-3,-4遺伝子のクローニング成功には至っていないが、共通モチーフ配列を持つ遺伝子群や、相同配列未知の数種の新規遺伝子のクローニングに成功した。今後、当初予定の各遺伝子のクローニングを進めるとともに、新規遺伝子についても、リアルタイムPCR法での検出・定量を検討する。 (2)Smsp-1の完全精製に成功し、部分アミノ酸配列解析およびアミノ酸組成分析を行った結果、カイコ・クモ由来の絹関連タンパク質と明確に異なることが示唆された。 (3)冬期および夏期に生物試料採集し、絹糸線リボゾーム活性を比較した結果、夏期のほうが冬期に比べて顕著に高いことが判明した。 (4)上記(3)と関連して、絹糸腺内タンパク質組成を調査した結果、特にSmsp-1含量が冬期では減少することが分かった。 以上(1)-(4)の結果を合わせ、次年度における研究計画推進に必要となる基礎知見が得られた。
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