研究課題/領域番号 |
22510028
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
平林 公男 信州大学, 繊維学部, 教授 (20222250)
|
研究分担者 |
新井 亮一 信州大学, 繊維学部, 助教 (50344023)
大川 浩作 信州大学, 繊維学部, 准教授 (60291390)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | トビケラ目 / タンパク質 / クローニング / 高精度発生予測 / 巣糸 / ヒゲナガカワトビケラ / 生活史 / 絹糸腺 |
研究概要 |
トビケラ目昆虫(Stenopsyche marmorata)の造網性幼虫が作る巣網や捕獲網(ネット)・巣糸タンパク質 (Larval Net Protein, LNP) およびそれをコードする遺伝子を同定し、野外個体群の遺伝子発現量を定量測定した。本研究の目的は、遺伝子発現量の季節変化から、新しいライフサイクルアセスメント法を開発することである。研究手法として、まず、クローニングしたSmsp-1~4のcDNA配列を用いて、特異的に検出・定量が可能なPCRプライマーを設計した。次に、毎月定期的にサンプリングしたS. marmorata幼虫の絹糸腺からmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いて調製したcDNAを鋳型としてリアルタイムPCR法により遺伝子定量解析を行った。その結果、Smsp-1及びSmsp-3は比較的安定して発現しているのに対し、Smsp-2とSmsp-4の発現量変動が非常に大きい傾向が見られた。特に、Smsp-4発現量は夏季に比較的多く、冬季には減少する傾向が見られ、幼虫巣網を形成するシルク蛋白質遺伝子は季節により変動していることが示唆された。一方、S. marmorata幼虫の齢別解析を野外個体群について行ったところ、春期には、5齢幼虫が水中の有機物を集めるための捕獲網を石間に張り、活発な摂食行動を行うのに対して、夏期には、多くの5齢幼虫が蛹となるために石管を礫上に作成した。石管形成後1週間程度で、羽化して成虫となることが明らかとなった。水温の高い6月~9月にかけて大量に成虫となって羽化する時期に、Smsp-4の発現量が多くなることが示唆された。以上のことより、LNP遺伝子発現量(特にSmsp-4の変動)と齢別解析の結果が良く一致するため、他の個体群での確認が必要ではあるが、LNPの遺伝子発現解析を利用した新しいライフサイクルアセスメント法への応用が可能となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|