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2012 年度 実績報告書

魚類の生態情報と地域情報に基づくエコロジカルネットワークの再生:トキ採餌環境整備

研究課題

研究課題/領域番号 22510030
研究機関徳島大学

研究代表者

河口 洋一  徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20391617)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード自然再生シナリオ / トキ野生復帰 / エコロジカルネットワーク / 生態工学 / ドジョウ / GIS / 環境調和型農業
研究概要

佐渡島のトキ野生復帰において,トキが通年利用する重要な餌生物であるドジョウの生息量を,エコロジカルネットワークの再生という生態学的視点から,増加させるプロセスの確立を研究目的としている.国仲平野の圃場整備水田域の水路網を対象に,春季(成魚が対象:産卵のための水田魚道設置場所の検討)と夏季(稚魚が対象:水路における稚魚の生息場の改善)に魚類・物理環境調査を約50地点で行った.水路網調査では,支線排水路と幹線排水路の合流点における落差,ポンプを利用した排水施設,用水のパイプライン化による取水等の有無について確認した.ドジョウ生息量とこれらの環境要因の関係性を明らかにするため,一般化線形モデル(GLM)による解析を行い要因の抽出を行った.モデル解析の結果から春季と夏季におけるドジョウの推定密度を地図化し,ネットワークの再生手法を検討した.
ドジョウの生息環境要因は,春季では水田面積,流速の変動係数,幹線排水路との接続性が正の要因となり,コンクリート床,排水機能,標高が負の要因としてドジョウの生息量に影響した.また,夏季では水田面積,水中植生が正の要因となり,水深,排水機能,給水機能,標高が負の要因としてドジョウ稚魚に影響した.両季節のドジョウ分布図を比較すると,分布の仕方が異なっていた.
両季節に共通して移動経路を分断し排水効率を上げる排水施設の存在,夏季ではパイプラインを通じた給水機能による水の制限といった圃場整備による改変要因がドジョウの生息環境を悪化させていると考えられた.また夏季では,ドジョウ稚魚は水中植生が繁茂している水路で多く見られたことから,稚魚は成魚よりも水路内環境の影響を受けやすいことが示唆された.
本研究の成果は,佐渡市の生物多様性地域戦略に反映され,水系ネットワークの再生手法として紹介・推奨されている.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 圃場整備水田域の水路網におけるドジョウの生息環境解析と分布域の地図化2012

    • 著者名/発表者名
      中津充裕他
    • 学会等名
      農業農村工学会全国大会(札幌大会)
    • 発表場所
      北海道大学 高等教育推進機構 E棟(北海道)
    • 年月日
      20120918-20120920
  • [図書] 河川生態学 5.3.8 佐渡島におけるトキ野生復帰と水系ネットワークの再生2013

    • 著者名/発表者名
      河口洋一・中村太士(分担執筆) 中村太士(編)川那部浩哉・水野信彦(監)
    • 総ページ数
      総ページ数354, 316-319担当
    • 出版者
      講談社
  • [図書] 生物多様性佐渡戦略 第4章 b)水系ネットワークの構築2012

    • 著者名/発表者名
      河口洋一(分担執筆) 佐渡市農林水産課生物多様性推進室(企画・編集)
    • 総ページ数
      総ページ数121, 113-115担当
    • 出版者
      新潟県佐渡市

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公開日: 2014-07-24  

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