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2012 年度 実績報告書

遺伝的多様性に配慮した河川管理技術の開発―河川構造物と個体群の遺伝的分化

研究課題

研究課題/領域番号 22510031
研究機関愛媛大学

研究代表者

高木 基裕  愛媛大学, 南予水産研究センター, 准教授 (70335892)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード人工構造物 / 吉野川 / タカハヤ / 遺伝的多様性 / 遺伝的分化
研究概要

河川環境において堰・ダムなどの人工構造物が、魚類をはじめとした河川生物の生息における大きな限定要因となっている。本研究では、多数の構造物によって河川が分断されている四国4県にまたがる1級河川の吉野川をモデルとして、魚類鍵種の遺伝子交流の程度を解析するとともに、遡上および遡下を妨げる構造物設置の条件を解明し、魚類の生活史を考慮した河川管理手法の開発を行う。
解析に用いたタカハヤは高知県の吉野川水系汗見川の汗見ダム(堤高18.5m)上流部1地点、汗見ダム下流部の汗見川支流西谷川の堰堤上流部と下流部の2地点、愛媛県重信川水系井内川の堰堤が連続する区域の上流部と下流部2地点、重信川水系石手川ダム(堤高87m)の上流部と下流部2地点の計7地点から約30個体ずつ採取した。ミトコンドリアDNA解析はcyt-b領域の前半部506bpの塩基配列から遺伝的多様度と分化程度を評価した。
各集団のハプロタイプ数は1~8個検出され、石手川ダム上流部で8個と最も多く、西谷川上流部では単型であった。遺伝子多様度は石手川ダム上流部(0.684)と井内川上流部(0.677)で高く、西谷川(上流部0.000、下流部0.065)では低かった。ハプロタイプネットワークを構築したところ、汗見川水系および重信川水系井内川でみられるハプロタイプ1~3のグループと重信川水系でのみみられるハプロタイプ4~12のグループに大きく別れた。各個体群間の遺伝的分化を示す異質性検定では、汗見川水系の西谷川上流部と下流部および汗見ダム上流部と西谷川下流部の組み合わせ以外では集団間で有意差が確認され、人工構造物による分断の影響が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 愛媛県加茂川・中山川におけるヨシノボリ類個体群のダム隔離による遺伝的影響2012

    • 著者名/発表者名
      高木基裕・関家一平・柴川涼平・清水孝昭・川西亮太・井上幹生
    • 雑誌名

      応用生態工学

      巻: 15 ページ: 161-170

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 四国におけるルリヨシノボリの遺伝的多様性.分化および陸封化2012

    • 著者名/発表者名
      高木基裕
    • 雑誌名

      日本生物地理学会報

      巻: 67 ページ: 631-640

    • 査読あり
  • [学会発表] 吉野川におけるオオヨシノボリ個体群の遺伝的分化および陸封化2013

    • 著者名/発表者名
      高木基裕・柴川涼平・清水孝昭・大森浩二・井上幹生
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2013-03-28
  • [学会発表] タカハヤ個体群の人工構造物による影響2012

    • 著者名/発表者名
      清原祐司
    • 学会等名
      平成24年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      下関
    • 年月日
      20120914-20120917
  • [学会発表] 四国におけるルリヨシノボリの遺伝的多様性,分化および陸封化2012

    • 著者名/発表者名
      高木基裕
    • 学会等名
      平成24年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      下関
    • 年月日
      20120914-20120917

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公開日: 2014-07-24  

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