研究課題/領域番号 |
22510049
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
勝矢 淳雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (00065848)
|
研究分担者 |
河野 勝彦 京都産業大学, 文化学部, 教授 (50103718)
山岸 博 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (10210345)
野村 哲郎 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (50189437)
|
キーワード | 賀茂地域 / 住民との協働 / スグキナ / 佐波賀ダイコン / ナミテントウ / 賀茂文化 |
研究概要 |
1. 住民との協働の方法論の実践的・理論的研究:地域活動のためのコミュニケーションをめぐる諸問題を記号論、言語論、メディア論などから研究を進めた。賀茂季鷹歌碑建立と北大路魯山人生誕地石碑建立での反対者の意識の本質的な原因についての一般化を行なった。反対者への対応方法への一定の知見が得られた。上賀茂地域では、ジュニア上賀茂検定を小学校、自治連合会と協働で実施できた。下鴨地域では、糺の森自然観察会を実施した。また、紅葉音頭の復活に重要な役割を果たし、上賀茂の紅葉音頭との連携を推進した。これらを通じて、適切なリーダーを発見することと、時期を得ることの重要さを明らかにした。そのためには地域の中に有効な人脈を築いていくことが大切であることがわかった。若い人に地域に関心を持ってもらうことも目的として、60歳以上の人に小さいときの生活を書いてもらい将来に残すことを進めた。この生活記録を賀茂文化研究会の会誌「賀茂文化」第8号に掲載した。 2. 上賀茂における地域の自然特性に基礎をおく調査・研究とその展開:スグキナと同様に京野菜の1つである「佐波賀」ダイコンについて、品種間の遺伝的変異を解析し、スグキナにおける系統間および系統内変異を明らかにする際の指標としようとした。佐波賀ダイコンのミトコンドリアの雄性不稔遺伝子と、これに対する核の稔性回復遺伝子の変異を分子遺伝的に調査した。その結果、雄性不稔遺伝子は品種内で特定のタイプに固定していたのに対して、稔性回復遺伝子は、個体間の遺伝的変異が認められた。上賀茂にある京都産業大学構内において、ナミテントウの越冬集団の調査を実施した。この調査は過去5年間にわたって継続してきたものである。斑紋遺伝子の頻度には年次間で変動がみられること、その変動には前年の夏期の気温が影響を及ぼしている可能性が示唆された。
|