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2010 年度 実績報告書

ユビキチン化によるDNA修復制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22510059
研究機関京都大学

研究代表者

茂木 章  京都大学, 医学研究科, 助教 (80452332)

キーワードDNA修復 / ユビキチン / 複製後修復 / 相同組換え / Rad5
研究概要

DNAは放射線や化学物質によって絶えず損傷を受ける。複製DNAポリメラーゼは損傷を受けた鋳型DMによって進行停止に陥る。細胞はこのような鋳型DNAの損傷による複製ポリメラーゼの進行停止を解除し、適切に複製を再開する仕組みを複数備えている。この複製停止解除機構は、様々なDNA代謝に関わるタンパク質因子のユビキチン化によって厳密に制御されている。我々はこれまでにヒトユビキチンリガーゼSHPRH及びHLTFが「複製後修復」と呼ばれる複製停止解除機構を制御していることを明らかにした。また近年の研究から、ヒトユビキチンリガーゼRNF8及びRNF20も複製停止解除に関与することが示唆されている。
そこで本研究では、ユビキチン化による複製停止解除機構をさらに解明するために、SHPRH及びHLTFを中心としたタンパク質複合体を精製する。これまでにSHPRH及びHLTFにFLAG-HAエピトープを付加した遺伝子を安定発現するヒトHeLa細胞株を作製した。また、ニワトリB細胞株DT40を用いて、SHPRH,RNF8,RNF20遺伝子の欠損細胞株を作製した。SHPRH欠損細胞株は各種DNA損傷に対して顕著な感受性を示さなかったが、SHPRH欠損によってジーンコンバージョンと呼ばれる特殊な相同組換え修復が亢進することを示唆するデータを得た。それに対してRNF8遺伝子欠損株は、トポイソメラーゼ阻害剤カンプトテシンやPARP阻害剤オラパリブに対して強い感受性を示し、RNF8は「一本鎖DNA切断に始まる相同組換え修復」を促進することによって複製停止を解除することが示唆された。またRNF20遺伝子はホモ変異細胞株が得られず、テトラサイクリン依存的にRNF20遺伝子発現が抑制される細胞株を作製・解析した結果、RNF20遺伝子は細胞の生存に必須であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Dpb11/TopBP1 plays distinct roles in DNA replication, checkpoint response and homologous recombination2011

    • 著者名/発表者名
      Germann SM, Oestergaard VH, Haas C, Salis P, Motegi A, Lisby M
    • 雑誌名

      DNA Repair

      巻: 10 ページ: 201-224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Simultaneous Disruption of Two DNA Polymerases, Polη and Polζ, in Avian DT40 Cells Unmasks the Role of Polη in Cellular Response to Various DNA Lesions2010

    • 著者名/発表者名
      Hirota K, Sonoda E, Kawamoto T, Motegi A, Masutani C, Hanaoka F, Szuts D, Iwai S, Sale JE, Lehmann A, Takeda S
    • 雑誌名

      PLoS Genetics

      巻: 6(10) ページ: e1001151

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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