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2010 年度 実績報告書

FGF12による放射線障害の予防治療研究

研究課題

研究課題/領域番号 22510065
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

中山 文明  独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 主任研究員 (50277323)

キーワード再生医学 / 蛋白質 / 放射線 / 生体分子 / 防護剤
研究概要

Fibroblast Growth Factor (FGF)は細胞増殖因子の一種であるが、放射線障害の予防・治療に有効であると考えられている。本課題では、作用機序が不明なFGF12について、細胞外からの投与により放射線障害を軽減できることを、培養細胞とマウスを用いて証明するとともに、そのFGF12の作用機序を解明することを目的にした。本年度は、組み換え体FGF12Bを用いて、ラット腸細胞株IEC6細胞を培養し、放射線誘導性アポトーシスをHoechst核染色で検討した。その結果、1、10、100ng/mlのFGF12B濃度で、20GyのX線照射24時間後の時点で、有意にアポトーシスを抑制することを見いだした。以前の研究より、FGF12蛋白が細胞内に移行して抗アポトーシス効果を発揮していると考え、FGF12BをAlexa568の蛍光でラベルし、IEC6細胞内に移行できるかFACSで検討した。その結果、100ng/mlと1μg/mlのFGF12B-Alexa569で細胞を培養することで、24時間後に80%以上、48時間後では95%程度の細胞に蛍光を検出した。さらにFGF12Bが細胞質に移行していることをconfocal顕微鏡にて確認した。タンパク質が細胞内移行する際、膜透過に関するドメインを有している場合がある。そこで、FGF12B全長にわたり30アミノ酸からなるペプチドを13種類合成し、FITCラベルすることで、どの部位が関与しているか検討した。その結果、C末端部のアミノ酸配列140-169のペプチドをはじめ、中央部にも複数のペプチドが細胞内移行した。以上の所見より、細胞外FGF12が放射線誘導性アポトーシスを抑制できることを示した。また、FGF12が細胞内移行できることも明らかにし、FGF12に膜透過ペプチドドメインが存在すること示唆した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [学会発表] FGF12における膜透過ペプチドドメインの同定2011

    • 著者名/発表者名
      中山文明、安田武嗣、梅田禎子、浅田眞弘、今村亨、明石真言
    • 学会等名
      第10回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都)
    • 年月日
      2011-03-01
  • [学会発表] FGF12における膜透過ペプチドドメインの同定2010

    • 著者名/発表者名
      中山文明、安田武嗣、梅田禎子、浅田眞弘、今村亨、明石真言
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] 放射線障害における毛包幹細胞の検討2010

    • 著者名/発表者名
      中山文明、梅田禎子、木村美穂、今村亨、明石真言
    • 学会等名
      第35回日本研究皮膚科学会総会・学術大会
    • 発表場所
      和歌山県民文化会館(和歌山県)
    • 年月日
      2010-12-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.nirs.go.jp/index.shtml

  • [備考]

    • URL

      http://www2.nirs.go.jp/radgenomics/index.php

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公開日: 2013-06-26  

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