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2010 年度 実績報告書

エストロゲン活性を有する内分泌撹乱化学物質類の学習記憶能に及ぼす影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 22510069
研究機関長崎大学

研究代表者

山下 樹三裕  長崎大学, 環境科学部, 教授 (50192399)

研究分担者 山下 康子  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80291532)
キーワード学習記憶 / 内分泌撹乱化学物質 / エストロゲン活性 / エストロゲン受容体
研究概要

環境ホルモンと疑われている物質の多くは、エストロゲン様作用を有しており、ビスフェノールA(BPA)もエストロゲン様作用が確認されている。よって、BPA及びエストロゲン(E_2)の海馬内微量注入による雄性ラットの空間学習記憶能への影響を評価し、さらに抗エストロゲン作用を有するタモキシフェン(TAM)を併用した際のBPA及びE_2の効果について検討した。実験は可変式迷路装置を用いて、MAZE TEST (A)を1日3 trial、3日間行い、ゴールにたどり着くまでの時間(Time)、エラーエリアへの進入回数(Error)を測定することにより、空間学習記憶能を評価した。MAZE TEST (A)において、BPA投与群の日ごとのTimeはControl群と比較して、常に低い値を示し、有意差も認められた。E_2投与群においても有意差は認められなかったが、3日間ともControl群よりも低い値を示した。このことからBPA及びE_2の海馬内微量注入により、空間学習記憶能の促進効果が示唆された。翌週のMAZE TEST (B)では、TAMを前処置したBPA投与群の日ごとのTimeは、3日間ともControl群よりも高い値を示した。以上より、BPAはE_2と同様、海馬におけるエストロゲン受容体に作用することにより空間学習記憶能を向上させることが示唆された。ダイズ由来植物エストロゲンのゲニステインにおいてもBPAと同様に学習記憶の改善効果が認められたが、この効果はTAMによって抑制されなかった。従って、ゲニステインによる学習記憶改善効果は、エストロゲン受容体を介さない経路による効果であることが示唆された。その他、BPA及びノニルフェノール周産期曝露の学習記憶ならびに周辺機能についての研究及びエストロゲン受容体解析も行っているが、例数追加の必要が有り、平成23年度に報告する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 含エストロゲン活性環境ホルモンの海馬内微量注入が雄性ラットの学習記憶に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      山下樹三裕
    • 学会等名
      日本薬理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] ビスフェノールAの海馬内微量注入が雌性ラットの学習記憶に及ぼす影響についての研究2010

    • 著者名/発表者名
      山下樹三裕
    • 学会等名
      環境ホルモン学会
    • 発表場所
      東京大学 山上会館
    • 年月日
      2010-12-16

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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