環境化学物質の生体影響について時間生物学的な視点から検討するために、明期(ZT3)または暗期(ZT15)に、8~9 週齢の雄性 C3H マウスにベンツ[a]ピレン(BaP)または N-エチル-N-ニトロソウレア(ENU) を投与したところ、 BaP は明期でも暗期でも末梢血中の小核誘発に関しては影響しなかったが、暗期に投与すると肝臓において脂質合成に関与する Fasn 遺伝子の発現が促進した。ENU は明期に投与する方が小核誘発頻度が低く、p53 標的遺伝子である Cyclin G1 の発現が亢進し、 DNA 修復能力が高まっている可能性が示唆された。
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