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2012 年度 実績報告書

カーボンニュートラル化を目指した時限型易生分解性ポリプロピレンの作製

研究課題

研究課題/領域番号 22510097
研究機関北見工業大学

研究代表者

中谷 久之  北見工業大学, 工学部, 教授 (70242568)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード生分解 / ポリプロピレン / 酸化チタン / 八リン酸カルシウム
研究概要

最終年度である本年度は、TiO2/ポリエチレンオキシド(PEO)光触媒(擬似酵素)システムの生分解挙動をBOD(生物化学的酸素要求量)試験により詳細に調べた。八リン酸カルシウム(OCPC)でTiO2表面を部分修飾して改良型擬似酵素システム(TiO2/PEO/OCPC)混練ポリプロピレン(PP)フィルム(20×5×0.05 mm)を作製し、24時間紫外線劣化処理後、本学の土壌を菌源として水中生分解を行い、微生物による生分解80日で灰化率20%、径0.04mmの小片まで生分解させることができた。その生分解特性は、従来型TiO2/PEO擬似酵素システム(灰化率10%、BOD値より算出)より高いものであった。生分解40日後の水溶液抽出部のNMRおよび質量分析測定から酢酸の存在が確認された。また、コハク酸の存在も確認された。コハク酸はOCPCより溶出されたものと推定した。灰化率の大幅な増加は、このコハク酸が水溶液中に溶け出し始め、それにより微生物の代謝が活性化されたためであると考えている。コハク酸は、生体活動に必須なATPを生み出すTCA(クエン酸)回路の代謝成分の一成分である。コハク酸の存在は、栄養不足下にあるBOD試験下で微生物を活性化させたと推定した。また試料表面に存在し、生分解に関与していたと思われる放線菌の成長が観測でき、コハク酸による活性化が起こったという上記推定を支持する結果を得た。我々は、改良型による生分解性の向上はOCPC中のコハク酸のよるものと結論付けた。またこの結果から、擬似酵素システムに第三成分を加えることでその分解特性を改良できることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Study on biodegradation mechanism of novel oxo-biodegradable polypropylenes in an aqueous medium2012

    • 著者名/発表者名
      Kensuke Miyazaki
    • 雑誌名

      Polym. Deg. Stab.

      巻: 97 ページ: 2177–2184

    • DOI

      10.1016/j.polymdegradstab.2012.08.010

    • 査読あり
  • [学会発表] 擬似酵素システム誘起によるポリプロピレンの生分解化とその挙動2012

    • 著者名/発表者名
      柴田和人、荒井孝行、宮崎健輔、中谷久之
    • 学会等名
      第1回高分子学会グリーンケミストリー研究会シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-08-23
  • [学会発表] ポリエチレンオキシド/TiO2酸化促進剤を用いた酸化生分解性ポリプロピレンの生分解挙動2012

    • 著者名/発表者名
      宮崎健輔、柴田和人、寺野稔、中谷久之
    • 学会等名
      マテリアルライフ学会第23回研究発表会
    • 発表場所
      群馬
    • 年月日
      2012-07-05
  • [産業財産権] 樹脂組成物、成形体、樹脂組成物の製造方法、及びポリオレフィン系樹脂を光酸化劣化させる方法2011

    • 発明者名
      中谷 久之
    • 権利者名
      中谷 久之
    • 産業財産権種類
      特許特開2013-18894
    • 公開番号
      特開2013-18894
    • 出願年月日
      2011-07-12
    • 取得年月日
      2013-01-31

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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