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2010 年度 実績報告書

絶滅に瀕する淡水洞窟産小型無脊椎動物未記載種の記載とDNA解析、動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 22510100
研究機関横浜国立大学

研究代表者

西 栄二郎  横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (50280748)

キーワード希少種 / 洞窟 / 環境改善 / 動物学 / 自然史 / 標本調査 / 環境技術 / 生態系修復・整備
研究概要

本研究は日本沿岸や内陸に産する小型無脊椎動物の希少種を探索し、分類学的記載を行い、その生態や系統的位置を解明し、生息地の保護や保全に利用できる基礎データを広く公表することにある。特に河川や湖沼、洞窟内水系などの淡水には希少種が生息し、近年の水系の環境悪化により、その存在が脅かされている種が知られている。顕微鏡下でしか存在が確認できないような小型の無脊椎動物に注目が集まるような研究成果を目指している。
山口県秋吉台の秋芳洞内で淡水の水系に分布するヨコエビ類や貧毛類、多毛類の分布調査を行った。淡水の洞窟にしか生息しないシコクメクラヨコエビや貧毛類の1種の標本が得られた。貧毛類の1種についてはDNA解析を進めており、系統学的位置づけを探っているところである。ホラアナゴカイ科の1種は、図鑑ではその存在が報告されているものの、未だ記載が行われていない希少種である。今回の調査では、断片と思われるものは採集できたが、頭部から尾部を含めた虫体は採集されていない。採集地を変更するなど、工夫が必要である。
ホラアナゴカイ類は沿岸部の砂浜等にも生息する。それら近縁種を探索する過程で、多毛類の未記載種を記載し、また、博物館の標本調査の成果を論文にまとめた。今年度以降も、博物館においてホラアナゴカイ類の標本を探索することと、現在の同科の分布の現状を探ることが課題である。
岩手県安家洞内にもアッカホラアナゴカイという、この洞窟でしか採集されていないホラアナゴカイ科の1種が知られている。平成23年3月の東北沖大地震による被害の状況にもよるが、この洞窟内での調査も早急に行う必要があると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Polychaete fauna of the Boso Peninsula coasts, with an appendix on poiychaete type specimens deposited in Chiba Prefectural Museums2011

    • 著者名/発表者名
      E.Nishi
    • 雑誌名

      J.Natural History Mus.Inst.Chiba, Spec.Issue

      巻: No.9 ページ: 45-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A new species of Pileolaria (Polychaeta, Serpulidae) from Japan2011

    • 著者名/発表者名
      A.Rzhavsky
    • 雑誌名

      Proceedings of Biological Society of Washington

      巻: Vol.124(in press)

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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