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2011 年度 実績報告書

二層グラフェンの多孔構造における構造探索と物性制御

研究課題

研究課題/領域番号 22510108
研究機関青山学院大学

研究代表者

中田 恭子  青山学院大学, 理工学部, 准教授 (20272742)

キーワードグラフェン / 二層グラフェン / 多孔構造 / ナノ材料 / ナノカーボン
研究概要

二層グラフェンの多孔構造において、可能な構造を系統的に発生させるアルゴリズムの構築を行った,最も単純な場合、すなわち、閉じた端で囲まれた孔(ミクロ孔)が、1.12枚の7員環を持ち、2.螺旋対称性すなわちカイラリティを持たず、3.かつ周期的に配置された場合、について前年度に引き続き検討を行った。前年度までに構築した3および6配位ネットワークの構築に加え、今年度は4配位ネットワークに対する構造発生アルゴリズムの構築を集中的に行った。6配位ネットワークの場合と異なり、3配位ネットワークや4配位ネットワークの場合は、ミクロ孔本体のみならず、ミクロ孔とミクロ孔をつなぐ接合部にも7員環が位置する。この接合部7員環は、3配位ネットワークの場合は隣接するミクロ孔との間に1組存在し、隣接ミクロ孔間の距離を定めれば、すなわち2次元格子の単位格子を定めれば7員環の位置は一意に決まる。4配位ネットワークの場合は、4配位ネットワークの対称性がグラフェンの6員環ネットワークと整合しないため、単位格子は2個のミクロ孔を含む点で3および6配位ネットワークと異なっているが、その構造を系統的に発生させる上では大きな困難があることが昨年度までに明らかになっていた,それは、4配位ネットワークにおいて汝合部7員環の配置が特定の条件を満たす場合に、単位格子を定めても接合部7員環の位置に任意性が残るという問題であった.今年度はこの点を詳細に検討し、構造発生に必要なパラメタを1つ増やすことによって、可能な構造を系統的に発生させるアルゴリズムを開発した.これにより、二層グラフェンの多孔構造における最も単純な場合については、ネットワークのトポロジカルな構造を系統的に発生させることが再能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

二層グラフェンの多孔構造を7員環の配置から系統的に発生させるアルゴリズムを開発する段階で、4配位ネットワークにのみ見られる構造の特殊性が新たに明らかになったことから、4配位ネットワークに対しては、構造発生アルゴリズムが想像以上に複雑になり、開発に多くの時間を要したため。

今後の研究の推進方策

当初予定より多くの時間を要したが、二層グラフェンの多孔構造における最も単純な場合については、3、4、6配位ネットワークの構造を系統的に発生させることが可能となったため、今後はその構造をもとに電子状態計算を行い、構造パラメタと電子状態の関係を明らかにするという当初目的に向けて研究を進める。今年度の研究結果から、発生させた構造ならびに電子状態を効率的に理解するためには、トポロジカルなネットワーク構造のみならず3次元的な幾何学構造も同時に与える必要があると示唆されたため、今後は、当初の研究計画を一部変更して、構造パラメタから3次元構造を与えるプログラムの開発も検討する予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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