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2012 年度 実績報告書

多層グラフェン構造体への局所応力印加による新特性発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22510112
研究機関信州大学

研究代表者

林 卓哉  信州大学, 工学部, 准教授 (80313831)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードカーボンナノチューブ / グラフェン構造体 / その場観察
研究概要

本研究は多層グラフェンやナノチューブなどの炭素網面積層ナノ構造体に局所的な応力を加えることで層間距離や歪みなど層間の状態を変化させ、グラフェン層間の相互作用を明らかにすることを目的としている。積層グラフェン構造体としてグラフェンカップ積層型カーボンナノチューブに透過型電子顕微鏡中で圧縮や曲げ応力を加え、電気伝導性と構造の関係を明らかにした。カップ積層型カーボンナノチューブは底の抜けたカップ状構造を持ったグラフェンが積層した形状を取っており、通常のカーボンナノチューブとは異なる物性が期待されている。カップ積層型カーボンナノチューブは圧縮や曲げ応力により層間距離が変化し、積層構造にも変化が生じる。圧縮応力を加える事により電気抵抗率が2桁下がり、カーボンナノチューブやグラファイトa面と同等の抵抗率が得られた。繊維軸方向にはグラフェンカップが積層しているだけで導電パスが無いにもかかわらず、圧縮により大きく抵抗率が下がる現象が見られたことは大変興味深い。また、ホウ素添加やジュール過熱によりエッジがループ構造で繋がったカップ積層型チューブにおいては圧縮されたチューブと同等の抵抗率を示し、応力により抵抗率の変化は見られなかった。これらの現象と電子状態計算、電子エネルギー損失分光測定によるエッジの構造とπ電子密度の関係を検討したところ、チューブが圧縮される事でエッジ部でπ電子密度が大きくなり、ループが形成された時と似た電子分布が生じる事を見出した。また、フェルミ準位付近に新たな状態が発生し、導電性向上に寄与する事が明らかになった。積層間隔が小さくなる事により新たな導電機構が生じる事を解明した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Determination of the stacking order of curved few-layered graphene systems2012

    • 著者名/発表者名
      Takuya Hayashi, Hiroyuki Muramatsu, Daisuke Shimamoto, Kazunori Fujisawa, Tomohiro Tojo, Yoshitaka Muramoto, Takuya Yokomae, Toru Asaoka, Yoong Ahm Kim, Mauricio Terrones and Morinobu Endo
    • 雑誌名

      Nanoscale

      巻: 4 ページ: 6419-6424

    • DOI

      DOI:DOI:10.1039/C2NR30883E

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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