研究課題/領域番号 |
22510126
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
早瀬 仁則 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70293058)
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キーワード | 燃料電池 / MEMS / 多孔質シリコン / フラッディング / マイクロ流路 |
研究概要 |
開発を進めている薄型燃料電池の出力密度は、大型の従来型燃料電池に匹敵するようになった。そこで、従来は無視してきた反応生成水による燃料流路閉塞、いわゆるフラッディングが生じる。本研究では、反応生成水の観察を主として、この結果に基づき生成水処理方法を探索することを目的としている。 平成23年度は、前年度に原型を作った薄型燃料電池から生成される水を観察するためのテストベンチを用いて観察を進めた。水滴は相対湿度100%において顕著になるが、観察窓であるガラス製カバーは、放熱しやすいため反応部よりも温度が低く、水滴による曇りが生じた。このため、燃料流路底部の多孔質部分を鮮明に観察することが出来ないことが分かった。そこで、ガラス製カバーにマイクロヒーターを組み込み、曇りを抑制し、ある程度、鮮明な画像を得られるようにした。また、従来、1mmx1m角の反応領域を主に研究対象にしてきた。反応領域の拡大は、製造上、様々な問題があり、困難がある。本年度は、製作工程、セルデザインを改良し、出力密度300mW/cm2以上を有する1mmx4mmの反応領域を持ったセルを数枚製作することに成功し、水生成観察を実行することが出来た。この結果、発電量と供給ガス量から予想される相対湿度100%の一よりも、若干下流域から水滴形成が顕著になることが確認できた。 また、燃料流路底部の多孔質部においては、凹部の角から水滴が形成される様子が確認できた。しかしながら、凹部角は顕微鏡の光学的特性上、斜面の影響が強く、また、多孔質のため光吸収が大きく照明光量が不足するため、平成23年度内に鮮明な画像を得ることは出来なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来開発してきた燃料電池セルは、1mmx1mmの小反応領域しか持っていないかった。これを、フラッディングが顕著に表れる大面積に拡張していくことに、予想以上に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
主目的である観察が、ある程度行えるようになった。最終年度には、撥水性領域を設け、どのような水滴の挙動がえら得るかを把握し、フラッディングによる性能低下抑制策につなげたい。
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