研究課題/領域番号 |
22510137
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
徐 ふぁ 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40253025)
|
キーワード | リスクマネジメント / 両面性市場 / 不確実性 / リスクセンシティブ |
研究概要 |
平成23年度では、オフショアリソースを活用したプロジェクトのリスク評価基準を研究し、オフショアプロジェクトのリスクマネジメントの枠組みについて研究した。また、不確実性やリスクが存在する両面性市場におけるいくつかの研究課題を取り組した。 まず、オフショアアウトソーシングのリスクコントロールについて、継続的・客観的な指標を研究した。全体のリスクを抑制するために、発注者と受注者でリスクの共通認識を持つための共通枠組みを研究した。 つぎに、不確実性やリスクが存在するE-コマースを取り上げ、プラットフォームであるショッピングモールとサービスプロバイダである店舗の間における最適収益配分について研究した。E-コマースではモールはエンドユーザである消費者に課金しないので、市場が生み出す収益は店舗の売上として認識され、モールはこの売上を店舗との間で配分する。店舗が消費者に対してより多くの販売努力を行うほど、売上は拡大する。従って、モールは店舗が一層の努力を行うようにインセンティブを与え、モールへの収益配分を増やすことを目的としている。このような問題を動学的プリンシパルーエージェント・モデルを用いて定式化し、最適収益配分戦略が存在することを示していた。 さらに、近年急速に利用者が増加しているスマートフォン市場を取り上げていた。スマートフォン・メーカーはリスク回避的である場合を取り上げ、収益配分問題をリスク-センシティブ確率制御問題として定式化し、最適収益配分戦略や購入サポート戦略が存在することを示しているとともに、スマートフォン・メーカーのリスク感度の変化が最適戦略に与える影響について考察していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不確実性やリスクが存在している両面性市場におけるいくつかの課題について研究成果が得られています。
|
今後の研究の推進方策 |
発注者と受注者の関係性に着目し、オフショアリソースを活用したITプロジェクトにおけるリスク要因の分類と構造化のためのリスク管理フレームワークを検証するため、より多くの事例研究を集めていく。また、不確実性やリスクが存在する両面性市場におけるほかの研究課題を取り組む。
|