研究課題/領域番号 |
22510139
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小野里 好邦 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10143710)
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研究分担者 |
山本 潮 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00292623)
河西 憲一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50334131)
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キーワード | OR / スケジューリング / 仮想化 / 無線ネットワーク / セキュリティ / 消費電力削減 |
研究概要 |
1.仮想化技法を用いると複雑な情報システムにおいてもセキュリティ強化が可能である。 仮想化によるオーバーヘッドを評価するため、フリーソフトウェアであるファイアウォール「SmoothWall」を用いた場合、さまざまの動作環境でデータ伝送速度および処理時間を評価した。 その結果、80Mbpsの伝送速度が確保できること及び利用者あたり1秒間に2000接続収容できることを示した。仮想化技法を用いたセキュリティ強化策は、現在市販されている機器を用いても十分実現可能であることが確認できた。 2.多数利用者にサービスを行うシステムでは消費電力の削減は必要な技術である。現在モバイル機器の消費電力改善に向けて様々な研究が行われている。利用者端末では、CPUやバッテリーに焦点を当てたものが多く、また通信インフラ側におけるシステム改善に向けた取り組みも多く提案されている。本研究では、IEEE 802.11で標準化されているPower Saving Mode(PSM)を基礎にして、利用者宛てのフレーム到達時間を考慮に入れることによりさらなる省電力化を図る接続予約型パワーセーブ方式Adapnve LI Power SavingMode (ALIPSM)を提案した。 シミュレーションを行った結果、ALIPSMがPSMに比べて受信完了までの時間は若干多くなるものの、フレームが長時間クライアントに送信されてこない場合は消費電力を大きく抑えることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、仮想空間上で多様なアクセス形態、通信環境等を踏まえて高度な検索技術、選択・提供の枠組みをうまく組み合わせることにより、現実の問題の解を見つけることである。 本年度の仮想化ファイアウォール「Smoothwall」を用いた実験の結果、仮想化技法を用いたセキュリティ強化策は、現在市販されている機器を用いても十分実現可能であることが確認できた。 また、近年、モバイルシステムにおけるネットワークアクセスの増加により、通信に関するユーザ端末消費電力問題についても対応策が提案できた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り以下の方策により推進する。 1)仮想化によるセキュリティ強化法の提案と評価 2)スケーラブルにかつ多様なサービスを提供するシステム構築 3)利用環境の変化に柔軟に適応する基本的機能の実現 現実問題と対応していくためには、実際のセキュリティデータが取得できれば現実に生じているセキュリティ問題が把握できる。しかし、実際のセキュリティデータの取得は極めて困難である。研究遂行上の問題としては、実際のセキュリティデータの取得が挙げられる。この対応策としては、手元のデータを用いて現実問題と対応させていく予定である。
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