研究課題
本研究では、メーカーとサプライヤーの間のSCMを対象に、平準化をベースとした生産・資材発注方式を提案し、数値実験によってその性能を従来のMRPシステムやかんばん方式と比較・評価することを主な目的として研究を進めており、平成23年度は、以下の成果を得た。(1)平準化生産計画・生産・資材発注指示に関して、研究途上ではあるが、朝倉書店より「生産・発注の平準化-SCMを成功に導く理論的背景-」(平成23年9月)を単著として発刊した。主な内容は、JITにおける平準化、混合品種ラインにおける製品投入順序付け、多段階生産・在庫システムにおける平準化、MRPシステムの平準化、平準化の実践から構成されており、平準化の課題と効果の概要を述べたものである。(2)混合品種ラインにおける製品投入順序付け問題に関する研究論文が国際誌に掲載された(平成23年7月)。(3)平準化生産・資材発注指示のモデル化とその最適化アルゴリズムがほぼ完成し、日本機械学会生産システム部門研究発表講演会(平成24年3月)等で研究発表を行い、それらを学会誌に投稿すべく論文にまとめつつある。(4)平成23年度に予定していたMRPシステムにおける平準化のための計画アルゴリズム開発とその効果に関する数値実験は、十分な成果が出ておらず、この点が研究の遅れといえる。
2: おおむね順調に進展している
平準化生産・発注指示のモデル化とその最適化アルゴリズムがほぼ完成し、日本機械学会生産システム部門研発表講演会等で研究発表を行った。それらを投稿論文にまとめつつあり、また、不完全ではあるが、研究全体のとめを単著として平成23年秋に出版することができた。著書の執筆に負荷がかかり、研究の一部に若干の遅れは見られるものの、おおむね順調といえる。
平成24年度は、まずこれまでの研究成果を研究論文としてまとめ、内外の会議で発表するとともに、内外の学術誌に投稿したい。さらに、MRPシステムにおける平準化計画立案アルゴリズムを提案し、平準化指示方式の性能比較実験をより広範囲に行い、平準化指示方式の適合環境を明確にし、また、それらの成果を学術誌に投稿する予定である。
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日本経営診断学会論集
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