研究概要 |
研究代表者は,昨年度までに収集した「新聞売り子問題」に関する文献に加え,今年度新たに掲載された文献を追加収集した.さらに,これまでの数理モデル構築の成果を2011年度日本OR学会秋季研究発表会(2011年9月15日於甲南大学)において,またその継続結果を同学会春期研究発表会(2012年3月27日於防衛大学校)において発表し好評を得た.次いで,分担者の一人である小出と研究代表者は,消費者の購買行動に大きな影響を与える参照価格に関する数理モデルをさらに発展させ,国際会議であるInternational Multi Conference of Engineers and Computer Scientists 2012で発表するとともに,一昨年の研究成果をまとめた論文をIndustrial Engineering & Management Systemsに掲載させた. 一方,本研究プロジェクトのメンバー3人は,マルチエージェントシミュレーションの「新聞売り子問題」への適用可能性を追求することを意図して,木庭を中心として行った昨年度からの研究成果をさらに発展させ,その成果をInternational Conference on Agents and Artificial Intelligenceにおいて発表した. 以上のような研究と同時並行して三道,木庭は,より現実的な「新聞売り子問題」を表現したマルチエージェントシミュレーションを行うためのプログラムの開発にも成功した.これを用いたシミュレーション結果の一部は,日本OR学会春期研究発表会(2012年3月27日於防衛大学校)において発表し,すこぶる好評を得た.なお,数理モデルに動的価格設定の概念を組み入れることについては予想外の障壁が存在することに気づき,これは上に述べたシミュレーションモデルに組み入れることで対応することにした.
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今後の研究の推進方策 |
2012年度は,本研究プロジェクトの最終年度である.このことを踏まえ,昨年度開発したマルチエージェントシミュレーションのためのプログラムを改良,発展させた後,本格的なシミュレーションを行いデータの収集を行う.次いで,数理モデルにより得られた知見と,シミュレーションによって得られたそれとの整合性を確認した上で,全体的な知見を総括する.
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