研究概要 |
平成22年度はまず,(1)AGVによって仕掛品の搬送を行う生産システムのモデル化、をおこなった.本研究では得られた成果が広範な工場環境で効果的になるよう標準的な生産システムのモデルを構築している.特に,各工程においてAGVで搬送された仕掛品を一時貯蔵する入力バッファや加工が終了し搬送要求している仕掛品の待機場所である出力バッファの状態と加工工程のブロッキングの関係は,本研究のモデル化において重要な要素である また,(2)決定すべき運用規則とそれを規定する性能指標の明確化,についても研究を進めた.AGVシステムの設計・制御に関する問題は広範囲にわたり,これまで非常の多くの研究がなされている.まずこれらの研究のうち特に運用レベルの問題を扱った研究を精査し,生産システムにおけるAGVシステムという本研究の独自性を考慮して,これまでの成果と残された課題を整理した.そのうえで,多重負荷AGVを運用するためにはどのような運用規則を決定すれば良いのか,それぞれの運用規則を規定する性能指標にはどのようなものが利用できるのかを明確にした これと同時に,(3)AGVの運用規則が与えられたもとで生産システムの生産効率を求めるシミュレーションの開発,も開始した.AGVの運用規則が与えられたもとで生産システムの生産効率を求めるため,生産注文の発生,各工程での加工の終了,AGVへの積み込み,AGVからの積み降ろしを事象とした離散時間シミュレーションが適していると考えている
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