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2010 年度 実績報告書

エージェントシミュレーションによる新たな消費者行動モデルの開発と分析

研究課題

研究課題/領域番号 22510160
研究機関創価大学

研究代表者

岡田 勇  創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)

研究分担者 山本 仁志  立正大学, 経営学部, 准教授 (70328574)
諏訪 博彦  電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (70447580)
キーワードエージェントシミュレーション / オンライン口コミ / 消費者行動 / 消費者の認知限界 / リスク選択 / プロスペクト理論
研究概要

今年度は、はじめに、消費者行動の基礎モデルとして口コミの伝搬に関するシミュレーション研究をエージェントモデルを用いて行った。消費者行動理論の成果を援用し消費者の購買行動を記述するために、個々の情報行動に関する異質性を導入する工夫を行った。また消費者の口コミ選択については、ランダム選択、'同質性選択、権威的選択の3つの選択広報を取り上げその違いを分析した。シミュレーションの結果、財の特性に応じて消費者の口コミ選択の効果的な方法が異なることが分かった。また、コミュニケーション相手の増大や消費者の嗜好の多様性は消費構造にプラスの影響があることが分かった。この影響は消費者のメモリ空間の増大とは関係ないことから、消費者の認知限界に関する説明モデルとなっていることが明らかとなった。これは査読つき論文として発表した。
次に、消費者行動のうちリスク選択に焦点を当てた基礎的モデルの開発と分析を行った。具体的にはエージェントシミュレーションを用いて条件付きリスク行動の適応過程について分析した。その結果、トーナメントゲームにおいては比較的高いリスクを取るリスク行動が生き残ることが分かった。さらに、ミュータントが常に侵入しうる環境において適応的であるのは、最高ではないが比較的リスクの程度の高い戦略であることが分かった。これらの知見はプロスペクト理論が主張するような人間行動を支持するのみならず、それらの理論では説明できない合理的なメカニズムを提供している。本稿はまだ抽象性の極めて高いモデルの分析に過ぎないが、行動経済学をはじめ進化論、社会心理学、消費者行動理論といった多様な領域に重要な知見を提供しうることが予想され、次年度以降、さらに詳細に分析を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of information diffusion in online word-of-mouth communication among consumers2011

    • 著者名/発表者名
      Isamu Okada, Hitoshi Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics

      巻: 15(2) ページ: 197-203

    • 査読あり
  • [学会発表] Evolution of Conditionally Risk Behaviour2010

    • 著者名/発表者名
      Isamu Okada, Hitoshi Yamamoto
    • 学会等名
      Proceedings of World Congress on Social Simulation 2010
    • 発表場所
      カッセル大学(ドイツ)
    • 年月日
      20100900

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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