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2011 年度 実績報告書

突発衝撃荷重を受ける鋼骨組の進行性崩壊挙動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22510170
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

小室 雅人  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10270183)

研究分担者 岸 徳光  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30153076)
栗橋 祐介  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30414189)
キーワード危機管理 / 減災 / 構造化学・地震工学 / シミュレーション工学
研究概要

本研究の目的は,爆発や衝突等の偶発作用による鋼構造物の進行性崩壊を防ぐための強靱性を有する鋼構造物の設計法を確立するための基礎データの収集を行うことである。具体的には,柱材の消失による瞬間的な沈下現象を,衝撃的な外力入力に置き換え,衝撃力を受ける場合の鋼骨組の動的挙動に関して実験的および解析的側面から検討するものである。本研究を達成するために,本年度は有限要素法を用いた弾塑性衝撃応答解析を中心に研究を実施し,実験結果との比較により解析手法の妥当性を検討した。数値解析モデルは対称性を考慮して1/2モデルとし,要素はすべて8節点個体要素を使用した。また,実験試験体を忠実にモデル化するために,プレート材あるいはアングル材と柱フランジ間および高力ボルト間などに接触面を定義するとともに,高力ボルトには初期張力を導入した。なお,実験では同一試験体に対して初期衝突速度および増分速度を1m/sとした漸増繰り返し載荷条件で実施しているが,数値解析では計算時間の都合上,すべて単一載荷状態で実施した。数値解析結果より,(1)重錘衝撃力における衝突初期の第1波は実験結果と比較して過小評価するものの,波形性状に関しては実験結果を大略再現可能であること,(2)また,最大変位に関しては,実験結果とほぼ対応していること,(3)接合部形式の差異が,最大衝撃力に与える影響は小さいこと,および(4)これらの結果より,提案の数値解析手法を用いることによって大略実験結果を再現できること等を明らかにしている。しかしながら,この解析では鋼材のひずみ速度効果や繰り返し載荷による塑性効果の影響を考慮していない。次年度はこれらの影響についても数値解析に反映させた検討を行い,精度の向上を図るとともに最終目的である多層多径間骨組の進行性崩壊挙動解析を実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

接合部形式の異なる鋼骨組構造の静的・衝撃載荷実験についてはほぼ計画通り実施した。数値解析に関しては,実験結果をより精度よくシミュレートするために,―部解析モデルや解析手法等の修正が必要であるものの,研究はほぼ順調に進展している。

今後の研究の推進方策

衝撃荷重を受ける鋼骨組の耐衝撃挙動に関して,数値解析によって実験結果を精度よく再現するためには,鋼材のひずみ速度効果の影響について確認を行う必要がある。鋼材のひずみ速度に関しては部材レベルでの検討は少ないものの,要素レベルでは数多く実施されている。既往の研究成果を数値解析に反映させることより,実験結果をさらに精度よく再現できるか否かの確認を行う。また,その結果を踏まえ多層多経間骨組の進行性崩壊解析を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Dynamic response analysis for rigid steel portal frames under impact loading2011

    • 著者名/発表者名
      Komuro, M., Kishi, N., Kurihashi, Y. and Chen, W.F.
    • 雑誌名

      Applied Mechanics and Materials

      巻: 82 ページ: 247-252

    • DOI

      DOI:10.4028/www.scientific.net/AMM.82.247

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Numerical simulation of the dynamic response behavior of an RC portal frame underroad vehicle impact2011

    • 著者名/発表者名
      N.Kishi, M.Komuro, M.Takeda
    • 雑誌名

      Proceedings of 9th International Conference on Shock & Impact Loads on Structures

      ページ: 443-448

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamic response analysis of steel portal frames with semi-rigid connection under impact loading2011

    • 著者名/発表者名
      N.Kishi, M.Komuro
    • 雑誌名

      Behaviour of Steel Structures in Seismic Areas, STESSA2012

      ページ: 997-1002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impact loading tests of steel portal frames with different types of connections2011

    • 著者名/発表者名
      M.Komuro, N.Kishi, Y.Kurihashi
    • 雑誌名

      Behaviour of Steel Structures in Seismic Areas, STESSA2012

      ページ: 1003-1008

    • 査読あり
  • [学会発表] 重錘落下衝撃を受ける鋼門型骨組の耐衝撃挙動に関する実験的検討2012

    • 著者名/発表者名
      壼谷孝史, 小室雅人, 岸徳光
    • 学会等名
      土木学会北海道支部論文報告集,第68号
    • 発表場所
      かでる2・7(札幌市)
    • 年月日
      2012-02-03
  • [学会発表] 衝撃荷重を受ける鋼門形骨組の動的応答解析2011

    • 著者名/発表者名
      小室雅人, 岸徳光
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術梗概集(関東)
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2011-08-24

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2014-07-08  

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