研究概要 |
本研究は、大規模地震時における倒壊家屋からの救助活動、焼失被害軽減のための消火活動、住民の広域避難支援のための消火活動、等に対応するために、消防隊等による消防力の運用とその効果を総合的に記述した数理モデルおよびシミュレーションモデルを構築し,市街地火災による物的被害,人命被害等を軽減するための戦略的な消防力運用の基本的方針について検討・分析するものである。 平成22年度は、この研究の初年度に当たり、以下に示す項目について、研究実施を行った。 I.消防隊等による消防活動の被害軽減効果に関する検討サブモデル構築 (1)消防隊等による消防活動効果の解明 過去の消防力運用効果に関する評価手法に関する研究を調査し、既往研究が消防力運用効果の評価に当たって持つ観点・手法について整理・分析を行うとともに、これまでに筆者が構築してきた消防運用に関する評価モデルを整理した。 また、既往研究としてはほとんど存在しないことが判明した住民の広域避難リスクに関する定量的評価の方法について検討し、査読論文として投稿・掲載された。 (2)消防隊等による消防活動効果サブモデル構築 住民の広域避難に当たっての消防運用による効果を定量化するための基本的な考え方を整理した。その上で、消防隊等による消防活動効果を計算機上で算定できるサブモデルの構築に着手した。 II.消防力運用による人的・物的被害評価システムの開発およびIII.「消防力運用による人的・物的被害評価システム」による計算実験
|