研究概要 |
H23年度は,交差点右左折時の車載映像を用いて高速・高精度に歩行者や車等の移動物体を検出し,また,横断歩道上の歩行者ごとの領域分割を行う手法について研究を行い,次の成果を挙げた. (1)高速・高精度の移動物体検出に関する研究成果 交差点において,自車両が右左折時に停止と徐行運転する場合の車載映像を用いて,移動物体(歩行者,他車両等)の検出手法を開発した.また,移動物体検出後にそれらの物体を識別する手法及び追跡法を開発した.自車両が停止状態か移動状態かによって背景推定に用いる正規分布数を可変にすることにより,運転状況による手法の切り替えを行う手法を開発し,計算処理の簡素化・速度の向上また検出精度の向上を実現した.また,移動物体の動きベクトルの追跡及び推定手法の導入により,部分隠れ(オクルージョン)が生じる場合においても物体の追跡を行う方法を開発した. (2)歩行者ごとの領域分割に関する研究成果 自車両の運転状態(徐行または停止)に応じて,ステレオカメラより得られる距離情報と単一カメラによる背景推定情報を用いて,歩行者を一人ひとり分割する手法を開発した.運転状態を考慮することにより,歩行者の抽出形状の正確性が上がり,また分割に必要な計算時間も短縮できる.実環境における車載映像を用いて手法の有効性を確認した. 上記開発した手法と結果を国際会議Ihtemational Confbrence on Control, Automation and Systems (ICCAS2011)で指導学生が発表したところ,Student Paper Award Finalistに選ばれた.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は,次の点を中心に今後の推進方策として研究を遂行する. ・様々な環境下における交差点のデータベースをさらに増やし,各手法の更なる性能向上を図る. ・各歩行者の危険レベルを定義し,危険度を定式化する. ・研究成果は展示会や国際会議等で発表する. なお,第52回西日本総合機械展(6月13日-15日)で本システムを出展する(出展決定).
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