組織や団体における意思決定問題を扱う際に重要な事は、(1)いかに多くの意見に対し、その類似性に従って意見を集約していくか、(2)集約された意見に対し、いかにその順序構造を見つけていくか、である。本研究では、まずベクトル類似度としてシグモイド関数を基盤とする手法を提案した上で、ファジィ関係行列の性質を応用して、論理的に矛盾の無い意見集約法を開発するとともに、ファジィ順序関係の性質を応用した選考順序決定法を開発した。各種不正に対するリスクは(a)不正の種類、(b)不正の大きさ、(c)防止環境の脆弱性、に依存し、多変数型関数で表現されるが、本研究では、優越型評価と劣等型評価を同一座標に乗せるための共通パラメータを定義して、合成する手法を開発した。これによって、優越(ポジティブ)と劣等(ネガティブ)の両シグモイド評価関数を合成し、これらの最適値から不正の起こりやすい条件を抽出することができた。
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