研究概要 |
本研究では1万年前~数千年前の年代を持つ火山岩の年代測定で実績があるCassignol-Gillot Technique(CG法)を,山形大学のK-Ar年代測定システムへ導入する.この手法を火山噴火履歴の解明に利用することで,将来的な火山噴火リスク予測の精度を向上させることを目指している.平成22年度は,1.CG法によるK-Ar年代測定システムの作成,2.CG法の有効性を確認するための試料の準備,を行った. 1.CG法によるK-Ar年代測定システムの作成:CG法によるK-Ar年代測定の実装について文献等の精査を行った.その結果を,質量分析学会同位体比部会で発表した.現有のAr同位体分析用質量分析計をCG法での分析に対応させるため,ガス分析ライン改造の設計を行った.CG法での分析に必要な装置(容積を可変にする部品,ガス精製用部品,超高真空配管部品等)を準備してガス分析ラインの改造を開始した.また,現有のAr分析装置の補修・整備を行った. 2.CG法の有効性を確認するための試料の準備:火山学を専門とする研究分担者(伴 雅雄教授)が,CG法による年代測定に適していると思われる試料を,青森県岩木山および那須茶臼岳火山の試料から選定した.選定した試料について岩石学的・鉱物学的検討を開始した.また,年代測定用試料の調製を開始した.さらに東北地方の他の第四紀火山を対象に,適切な試料の追加選定を開始した.
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