研究概要 |
研究は,地震が社会にもたらすインパクトを「震度曝露人口」により定量化し,被災地域全体での被害総量を推定する新たな手法を開発するとともに,突発地震の即時的な被害予測,および,全国の想定地震による地震リスク評価を行うシステムの構築を目的とするものである.本年度は,震度曝露人口推計および地震リスク評価に必要な各種データを網羅的に収集し,データ相互の参照コードを整合させることによってデータベース化した.既往地震の計測震度データとしては,観測網の管轄機関(気象庁,防災科学技術研究所,総務省消防庁)から提供されているアーカイブ資料を用いた.想定地震による計測震度分布および地震発生確率については,地震調査研究推進本部の「全国地震動予測地図」の基礎データとして防災科学技術研究所のJ-SHIS(地震ハザードステーション)で公開されているデータを用いた.震源を予め特定しにくい地震等については,J-SHISで公開されている震源データと広域地盤増幅度データに基づいて,計測震度分布を推定した.人口データについては,総理府統計局,統計情報研究開発センター,国立社会保障・人口問題研究所により提供される公開データおよび市販データを用いて,データベース化した.整備したデータベースに基づいて,「データ入手,加工,マッチング,震度曝露人口推計,被害総量推定,地震リスク評価」のデータ処理の大半を自動処理化するシステムのモジュールを作成した.次年度はこれらを用いてシステム化を行う方針である.
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