研究課題/領域番号 |
22510202
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
桑山 秀一 筑波大学, 生命環境系, 講師 (40397659)
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キーワード | 細胞性粘菌 / ゲノムワイド / 寿命 / 細胞内情報伝達 / 3量体型Gタンパク質 / FRET / rabGAP / カフェイン |
研究概要 |
申請者は、ゲノムワイドな遺伝子機能解析を目的とし土壌微生物である細胞性粘菌の網羅的遺伝子破壊株の作製を行ってきた。得られた遺伝子破壊株のなかに、野生株に比べ増殖が極端に早く、かつ一生が早く終わる株が見つかった。この原因遺伝子を野生株において過剰に発現させると、逆に増殖が極端に遅くかつ一生が長くなった。この相同遺伝子は線虫、ショウジョウバエ、マウス、ラット、ニワトリ、ヒトを含む多くの動物種に存在し、ヒトの相同遺伝子をこの遺伝子破壊株に発現させると増殖速度の増加や寿命の短縮が相補されることもわかった。このことは、この遺伝子がヒトにおいても、同様な機能を有している可能性が非常に高いことを示唆している。 本研究は、この新規寿命遺伝子の制御遺伝子と被制御遺伝子を同定し、その寿命制御機構を明らかにすることを目的とした。 本年度は共免疫沈降法による相互作用検出系により、この遺伝子産物がGα2と相互作用すること確認した。前度報告したFRETによる相互作用検出において検出系の不具合が確認されたので、検出系の検討を行った。前年度rabGAP遺伝子産物がcAMP合成に関しており、カフェインがこの経路に直接あるいは間接的に作用していることを報告したが、本年度はrabGAP以外の遺伝子産物の中にカフェイン依存的なcAMP合成経路に関わるものが見出されたので、この遺伝子の機能解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画の大きな目標であるRabGAP遺伝子産物と相互作用する遺伝子産物の同定は達成した。また、遺伝子破壊株の表現形を解析する過程で、rabGAP遺伝子破壊株と同様にカフェインに対して耐性を示す遺伝子破壊株を見出した。その遺伝子破壊株の解析によりカフェイン耐性にはアラキドン酸カスケードが関与しているという新知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に当たる本年度においては、研究成果をまとめるための実験を行う予定である。特に、rabGAPがcAMP代謝経路にどのように関与しているかを分子レベルで解明するために生化学的実験を精力的に進める予定である。
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