初年度(2010年度)はホヤ被嚢細胞の採集とmRNAの回収。さらに新型DNA配列解読機による発現解析を行う予定であった。これについては予定より遅れている。被嚢細胞を採集し、mRNAを回収するところまでは簡単に行えるようになった。これは所属研究所内でのシーケンスサービスの順番待ちによるものである。ライブラリ作成からシーケンスにいたる一連の操作は、2012年の3月末には完成の予定である。かわりに2010年度と2011年度は、被嚢の光顕、電顕レベルでの観察や、配列取得後の情報処理用のデータベース作成に時間を割いた。被嚢の領域毎の繊維の密度の違いなどについて、既知データの確認などを行った。以上のように、基礎データの取得に時間を割いたために当初予定より遅れているが、配列データとその解析結果など重要なデータが2011年度中に、ひととおり揃う環境が整ったといえる。
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