研究概要 |
これまでに関節リウマチ(RA)感受性遺伝子として報告され、他グループによる再現実験も行われているものを中心に26遺伝子(FCRL3, NOTCH4, PADI4, PTPN22, STAT4, REL, SLC22A4, RUNX1, IL23R, PRKCH, RANLK, MRPL48, RTN1, DCIR, IL3, IL18, IL4R, SUMO4, CUL1, FGFR2, EXOC4, MHC2TA, CASP7, NFKBIL1, CTLA4, CD40)を選択し、そのプロモーター領域、エクソン、イントロンを含む遺伝子の全領域を対象としたLong-Range PCR法の系を作成した。増幅領域は合計で2.6Mbとなった。この系を用いて関節リウマチの中で関節破壊の進行が早くもっとも重篤なムチランス型11症例の末梢血DNAで増幅を行った。全増幅産物をプール後、Illumina Genome Analyzer IIxを用いて塩基配列を解析し、報告されている26遺伝子の塩基配列と比較した。RA患者に特徴的な非同義置換、および5'UTR、3'UTR、イントロンでの特徴的変異・多型は見いだせなかった。しかし、ある遺伝子の第1エクソン上流300~330bpにSNPの集積がみられた。今後、サンガー法により多数の症例での塩基配列を比較、検討することによりこれらSNPsとRA(ムチランス型)との関連を解析する。 Agilent Human All Exon kitを用いて、ムチランス型10症例のExome解析も行っている。Exome解析で特徴的な稀少変異の可能性があると考えられたものについては、サンガー法により個別検体ごとに稀少変異の有無を調べ、健常人症例と比較し、統計学的解析により関節リウマチとの関連を確認しているが、これまでのところ特徴的なものは得られていない。今後さらに、Exome解析で得られた他の候補SNPを解析する。
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