研究概要 |
「ゲノム支援」の支援を受け、19例のRA患者のexome sequencingを行った。非自己免疫疾患患者のエクソーム解析結果44例と比較し、RA感受性候補遺伝子を探索した。対象群との比較において、1遺伝子あたりのSNVの数の差が大きかったものからHLA以外の30遺伝子を選抜し、さらに1,000人ゲノムプロジェクトの36例との比較により15遺伝子に絞り込んだ。サンガー法によるSNVのvalidationとその後の関連解析(症例、対象ともに484例)を行ったところ、BTNL2, NOTCH4, MYPNの3遺伝子が有意な関連を示した。NOTCH4では既報のrs2071282が最も低い p 値を示した(p = 4.02E-12, OR = 3.14, 95% CI = 2.27 - 4.33,)。MYPNのrs10997975とRAとの関連は弱いものであった(p = 0.0047, OR = 1.33, 95%CI = 1.09 - 1.62,)。しかし、BTNL2 中の非同義置換SNP12種類は、全てRAと強い関連を示し、完全連鎖にある3つの SNP, rs41521946, rs28362677, rs28362678 が最も強い関連を示した(p = 4.55E-09, OR = 1.88, 95% CI = 1.52 - 2.33,)。BTNL2はHLA-DRB1とNOTCH4の間に存在し、どちらからも170 kb の距離にあるが、それらの遺伝子のRA感受性アリルで補正を行っても完全連鎖にある3つのSNPはRAとの有意な関連を保持していた(DRB1: p = 0.0156, rs2071282-T in NOTCH4: p = 0.00368)。これらの結果から、BTNL2はHLA-DRB1 およびNOTCH4からは独立してRA感受性を付与すると考えられた。
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