研究課題/領域番号 |
22510215
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
道川 祐市 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (20360688)
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キーワード | ゲノム / 放射線 / 遺伝子 / 核酸 / 1分子計測(SMD) |
研究概要 |
本年度はまず、ハプロタイプ解析技術のさらなる改善を行った。これまでの方法ではアガロースゲル内に埋め込まれた1分子レベルDNAの増幅産物を、加熱処理で液状化し回収していた。この溶液は常温に放置すると再固化して、繰り返しの回収効率を低下させていた。そこで、アガロース分解酵素(ニッポンジーン社、アガラーゼ)による液状化処理の導入検討を行った。アガラーゼ処理では液状化した状態が長期間維持され、繰り返し使用の際の回収効率に大きな改善が認められた。その後、ハプロタイプ解析対象としてCD44遺伝子のSNPを4個選出し、予定していた検体50名分について一通りの解析を遂行した。50検体中38検体については、4SNPを全て含む増幅産物が96ウェルの反応セット中で20個以内に収まり、かつジェノタイピングの結果全てホモアレルと判定できたものが複数個同定できた。ホモアレル同士を組み合わせたジェノタイプは元のジェノタイプと矛盾なく、ハプロタイプとして結論づけた。残りの12検体については、一度の解析で十分な数の全長ホモアレル産物を得ることができず、再度の解析を最終年度に行う予定である。全検体のハプロタイプを決定した上で、統計学的なハプロタイプ推定法との比較を行い、論文をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度4月より緊急被ばく医療研究センターに所属変更したため。同年3月に発生した福島原発事故への対応業務が多く、なかなか本研究に費やす時間を見つけることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
福島原発対応業務は個人的にはほぼ無くなり、研究に専念する環境が整っている。最終年度の本年は、これまでの本研究計画で遂行してきた内容をまとめて、再現性の確認などを行った後に論文投稿まで遂行することを予定している。
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