研究概要 |
マチン科ゲルセミウム属植物含有インドールアルカロイド、ユリ科植物含有アルカロイドのcolchicineを基盤とした新規抗腫瘍薬リード化合物の探索と創製を目指し研究を行い、以下の結果を得た。 1.マチン科Gelsemium elegansより特異な構造を有する7種の新規インドールアルカロイドを見出した。Kounaminalはアミナール構造を有するkoumine型アルカロイドであり、humantenoxenineはβ-アミノ-α,β-不飽和ケトン構造を有するhumantenine型アルカロイドである。また、腫瘍細胞に対する強い細胞毒性活性を有するsempervirineの誘導体合成並びにgelsedine型化合物の合成を検討した。 2.Colchicineの4位に各種置換基(ハロゲン、水酸基、アミノ基、ホルミル基等)を導入した誘導体を合成し、腫瘍細胞に対する活性評価を行った。その結果、4位ハロゲン化誘導体がcolchicineを上回る抗腫瘍活性を有することが明らかとなった。次に腫瘍細胞選択性の獲得を目指して、高活性4位ハロゲン化colchicine誘導体について、腫瘍細胞において過剰発現している酵素catepsin Bを利用したプロドラッグ化を行った。酵素が認識するジペプチド鎖を結合させたプロドラッグ化合物を合成し、酵素による開裂実験において活性化合物の放出を確認した。プロドラッグ化合物並びにそれらの活性化合物について腫瘍細胞選択性を評価した。
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