新規作用機序に基づくラメラリン系抗ＨＩＶ剤の創製

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22510235
• 研究機関: 長崎大学
• 研究代表者: 福田 勉 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80295097)
• 研究分担者: 久保 嘉直 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30273527)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2013-03-31
• キーワード: ラメラリンサルフェート / 抗ＨＩＶ剤 / 構造活性相関 / 侵入阻害

研究概要

ラメラリンα 20-サルフェートは、IC50 = 22 μMにてHIV-1インテグラーゼ阻害活性を示すとともに、実際のHIV-1ウィルスに対してもIC50 = 8 μMで感染抑制活性を示し、なおかつ低毒性（HeLa細胞に対する細胞毒性 LD50 274 μM）であることが報告されている。従ってラメラリンα 20-サルフェートは、HIV-1インテグラーゼ阻害剤のリードとして期待される。一方申請者らは、新規に合成したラメラリンαサルフェート類が抗HIV活性を有し、なおかつその作用機序がHIV-1侵入阻害活性である可能性を見出した。
昨年度までの研究で、ラメラリンα 20-サルフェートの抗HIV-1阻害の作用機序が従来提唱されていたHIV-1インテグラーゼ阻害ではなく、HIV-1侵入阻害であることが明らかとなった。
そこで今年度は、ラメラリン骨格の侵入阻害活性に対する影響を精査する目的で、まずラメラリンの五環性骨格と類似の形状を持つBenzo[g][1]benzopyrano[4,3-b]indol-6(13H)-one (BBPI)のホスフェート誘導体、サルフェート誘導体を合成を行うことにした。その結果、目的とする誘導体を得ることが出来た。
次に合成した誘導体について活性評価を行ったところ、ホスフェート誘導体については細胞毒性のため抗HIV活性は測定できなかったが、サルフェート誘導体については細胞毒性はなく、またHIV感染を30%に抑制することが判明した（測定は30 μMで実施した）。

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Total synthesis of the marine natural products lukianols A and B (2013)
  • 著者名/発表者名: K. Takamura, H. Matsuo, A. Tanaka, J. Tanaka, T. Fukuda, F. Ishibashi, M. Iwao
  • 雑誌名: Tetrahedron 巻: 69 ページ: 2782-8
  • DOI: DOI:10.1016/j.tet.2013.01.077
  • 査読あり
• [雑誌論文] Optional Synthesis of 2- or 5-Substituted 3-Bromopyrroles via Bromine-Lithium Exchange of N-Benzenesulfonyl-2,4-dibromopyrrole (2012)
  • 著者名/発表者名: T. Fukuda and M. Iwao
  • 雑誌名: Heterocycles 巻: 86 ページ: 1261-1273
  • DOI: 10.3987/COM-12-S(N)81
  • 査読あり
• [学会発表] ラメラリンの軸不斉を利用したプロテインキナーゼ阻害選択性の制御 (2012)
  • 著者名/発表者名: 吉田賢佑, 糸山諒介, 山平昌志, 田中淳二, Nadege Loaec, Olivier Lozach, Emilie Durieu, Laurent Meijer, 福田勉, 石橋郁人, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第30回メディシナルケミストリーシンポジウム
  • 発表場所: タワーホール船堀（東京都）
  • 年月日: 20121128-20121130
• [学会発表] 新規BBPI骨格を持つ高活性トポイソメラーゼI阻害剤 (2012)
  • 著者名/発表者名: 夏井裕子, 南條佑介, 藤本雅弘, 岡崎史泰, 藤秀人, 福田勉, 石橋郁人, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第30回メディシナルケミストリーシンポジウム
  • 発表場所: タワーホール船堀（東京都）
  • 年月日: 20121128-20121130
• [学会発表] ピロロ[2,1-a]イソキノリン骨格の合成およびその反応
  • 著者名/発表者名: 里大地, 吉田賢佑, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第49回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場（福岡県）
• [学会発表] ヨウ化ルキアノール A の合成研究
  • 著者名/発表者名: 田中文菜, 高村香, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第49回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場（福岡県）
• [学会発表] 新規ベンゾ[g][1]ベンゾピラノ[4,3-b]インドール-6(13H)-オン (BBPI) 誘導体の合成研究
  • 著者名/発表者名: 中野敦人, 夏井裕子, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第49回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場（福岡県）
• [学会発表] ベンゾ[g][1]ベンゾピラノ[4,3-b]インドール-6(13H)-オン (BBPI) の水溶性リン酸エステル誘導体の合成
  • 著者名/発表者名: 夏井裕子, 中野敦人, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第49回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場（福岡県）
• [学会発表] 5,13-ジヒドロ-6H-ベンゾ[1',2':6,7]インドロ[3,2-c]キノリン-6-オン (BIQ) 骨格の合成研究
  • 著者名/発表者名: 松尾祐里, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 第49回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州国際会議場（福岡県）
• [学会発表] ピロール環の連続的クロスカップリングを利用したラメラリン系海洋天然物の全合成
  • 著者名/発表者名: 小松原理志, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 2012年日本化学会西日本大会
  • 発表場所: 佐賀大学（佐賀県）
• [学会発表] 海洋天然物ルキアノール関連化合物の合成とアルドース還元酵素阻害活性評価
  • 著者名/発表者名: 高村香, 田中文菜, 福田勉, 岩尾正倫
  • 学会等名: 2012年日本化学会西日本大会
  • 発表場所: 佐賀大学（佐賀県）
• [備考] 長崎大学工学部工学科 化学・物質工学コース 天然分子化学研究室ホームページ
  • URL: http://www.ch.nagasaki-u.ac.jp/nat/index.html