研究概要 |
代表者の岩川は本研究の計画遂行のために海洋からの材料収集をおこなった。そこで得られた海綿Agelas nakamurai(15.1kg)の分画と精製を主に細胞障害性を指標に進行した。MeOHで抽出物に細胞障害性を確認した、(Hex層,90%M/W層,n-BuOH層,H_2O層90%M/W層の4つの画分後の90%M/W層(50g)の一部1D画分をバキュームカラムクロマトグラフィーにかけ、得られたフラクションのうち1Dno.12,1Dno.13,1Dno.24についてはいずれもKB細胞と輸送体蛋白質MRP1発現細胞KB/MRP1細胞に対しIC_<50>値で1-3μg/ml程度の細胞障害性を有している。NMRの結果と活性試験の結果より、1D13をさらに精製した。得られた画分で1D13-2は、強い細胞毒性を示し、さらにカラムクロマトグラフィーで精製して、得られた画分の1D13-2-10はIC_<50>値1.5μg/ml程度の活性を示した。1D13-5、1D13-11は、IC_<50>値1μg/mlの活性を示した。各画分は保存し、安定なアッセイ系の構築後に速やかに再検可能である。 古川はTSP-1のルシフェラーゼアッセイについて条件を再度検討中であり、安定したアッセイ可能な系の構築のために新たなプラスミドを作成している。具体的には現在用いているプラスミドが含むTSP-1のプロモーターDNA部分のうち最も重要なEGR-1の結合部位を残して重要でない部分を削除した。さらに、動物細胞で選択可能なマーカー遺伝子を挿入する操作を行っている。この遺伝子が組み込まれたKM12C細胞を作製することを目指している。
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