研究概要 |
申請者は,メガダイバーシティセンターと呼ばれる生物資源の豊富な熱帯資源国にアクセスし,多様な植物資源を利用することで,新しい環骨格を有する多環性含窒素骨格を有する機能性分子を見出してきた.これらの多環性アルカロイドを用いて新しい多機能性分子を開発するとともに,既に数百種もの保有する未利用資源植物の抽出物ライブラリーを用いて,新しい機能性を有するアルカロイドを探索し,創薬リード化合物を創製することを目的として検討した. 抗マラリア活性を有するCassiarin Aの関連アルカロイドを探索した結果,新たにCassiarin Fと命名した新規骨格のアルロイドを発見した.また,Cassiarin Fの全合成を達成することにより構造を決定し,創薬素材分子として活性評価を検討した. また,マレーシア,インドネシアにて採集した熱帯未利用植物資源のスクリーニングの結果,活性を示した植物抽出物の活性成分の検討を開始した.インドネシア産のstemona javanicaに,NO産生阻害活性を見出し,活性成分としてアルカロイドstemofolineを単離した.さらに,マレーシア産のHunteria zeylanicaに,抗マラリア活性を見出し,活性成分としてビスインドール型アルカロイド,bisnicalaterine類を見出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
創薬素材分子の探索課程で見出したCassiarin類に関して,合成的手法と天然物化学的手法を用いることにより,より活性の高い化合物を見出した.また,未利用植物資源より活性植物抽出物を見出していることから,順調に研究が進行している.
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