研究課題
基盤研究(C)
インドのアーユルヴェーダ生薬を探索資源とし、糖尿病や肥満などの生活習慣病の改善を目的とした核内受容型転写因子のひとつであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の発現を制御する物質の探索を行った。脂肪前駆細胞(3T3-L1細胞)を用いた脂肪細胞への分化促進作用や脂肪酸のβ酸化による肝細胞中の中性脂質量の減少を指標にPPARγおよびαアゴニスト様物質探索のための候補となる薬用植物の選別を行った。それらの中で、インドのみならず東南アジアで薬用として用いられているショウガ科植物Kaempferiaparviflora(根茎)、ハス科植物ハス(Nelumbonucifera)花部に強いPPARγアゴニスト様作用を見出した。種々のカラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCを用いて有効成分の単離を行い、活性成分としてメトキシフラボノール類やアポルフィン型アルカロイド類を見出した。メトキシフラボノール類については関連フラボノイド44種の結果から構造活性相関に関する知見を得るとともに、受容体レベルでのアゴニスト作用は認められなかったがPPARγmRNAの発現亢進を確認した。さらに、C/EBPαおよびβの発現亢進などその作用機序に関する知見を得た。その他、ナガコショウの一種Piperchabaに含まれるpiperlonguminineやretrofractamideAにPPARγ2mRNAの発現亢進を確認する望な物質の開拓を進めた。と共に、経口投与後の薬物動態およびretrofractamideA誘導体の合成を行い、より有望な物質の開拓を進めた
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