旧フランス領アフリカ諸国は、独立後フランス語を公用語としたが、フランス語はいまだに全国民の言語とはなっていない。しかし、いくつかの国では、土着のアフリカ言語が事実上の共通語として発展している。本研究では、そうした国々において、公用語のフランス語とアフリカ諸言語の関係がどのように変化してきているかについて、社会言語学的立場からの実態調査を行った。その結果、ラジオ、テレビなどの口頭メディアにおけるアフリカ諸言語の使用の拡大とアフリカ諸言語の重要性を認める方向への政策方針の表明が見られる一方で、教育、行政における使用については、非常に限られた水準にとどまっていることが確認された。
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