H19-H21年度に行った「トルコにおける都市構造と市場空間の活用に関する研究」での研究成果を発展させ、本研究では伝統的な市場空間と併せて新市街を分析対象に加え、トルコ諸都市の地域的な特性についてセンター領域の空間形態から捉えることを第一目的として研究を進めている。また、研究成果を今後のまちづくりや活性化に役立つデータとするためにWeb上で情報発信を行うことが本研究の第二の目的であり、図面、写真等、調査成果を公開している。 H22年度は、H21年度までに蓄積してきたデータに基づき、研究対象、研究方法を検討しながら、現地調査及びデータの整備を行ってきた。第1回都市空間調査(8月16日~9月7日実施)では、エーゲ海沿岸都市(マルマリス、ムーラ、エディルネ)を新たな対象として捉え、内陸部の継続調査都市と共にセンター領域の構成及び現状を記録し、文献資料を収集した。黒海沿岸地域のサフランボルにおいては、断食期間とも重なったため、宗教行為と都市空間との関連性を調査した。第2回調査(3月18日~3月27日実施)では、イスタンブル、エディルネ、クシャダスを訪問し、第1回調査の補完及びH23年度夏に実施予定の第3回調査の準備を行った。現地研究協力機関として各行政機関の他、イスタンブル工科大学、イスタンブル小売商管理組合、CEKUL(The Foundation for the Promotion and Protection of the Environment and Cultural Heritage)があり、第1回及び第2回の調査において訪問し、意見交換及び資料収集を実施した。また、H21年度までにベースを整備し、Web公開しているトルコ都市・市場紹介サイト」(http://www.turkish-city.jp/)の情報の追加及び校正を行い、公開情報の充実を図っている。
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