平成19-21年度に行った「トルコにおける都市構造と市場空間の活用に関する研究」での研究成果を発展させ、トルコ諸都市の地域的な特性についてセンター領域の空間形態から捉えることを第一目的として研究を進めてきた。また、研究成果を今後のまちづくりや活性化に役立つデータとするためにWeb上で情報発信を行うことが本研究の第二の目的であり、図面、写真等、調査成果を公開している。平成24年度は蓄積してきたデータに基づき、現地調査及びデータの整備を行ってきた。 第5回都市空間調査(8月15日~9月5日実施)では、エーゲ海沿岸および地中海沿岸地域の都市を主たる対象として、ウスパルタ、エレーリ、アンタルヤ、ショケ、アラチャト、イズミールのセンター領域の空間形態を調査し、行政機関では都市計画の取り組みに対する情報・資料収集を行った。第6回調査(3月19日~3月24日実施)では、イスタンブルのファーティヒ区、ベイオウル区、シシリィ区において区ごとの中心エリアを対象に歩行者専有空間の形態について補完調査を実施した。現地研究協力機関として各行政機関の他、イスタンブル工科大学があり、第5回及び第6回の調査において諸機関を訪問し、意見交換及び資料収集を実施した。イスタンブル小売商組合においてはイスタンブル市内における露天市の問題点と取り組みについて意見交換を行った。調査結果をふまえ「トルコ諸都市のセンター領域における屋外空間の特性に関する考察」(学苑・人間社会学部紀要、昭和女子大学、2013年)ではセンター領域の特徴を屋外空間の形態に着目、分析し、屋外空間の重要性を確認することができた。また、平成21年度までにベースを整備し、Web公開している「トルコ都市・市場紹介サイト」(http://www.turkish-city.jp/)の情報の追加及び校正を行い、公開情報の充実を継続して行っている。
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