*保存と発掘:アメリカ合衆国関連では、1920年代から30年代に俳句の自由律時代を牽引した下山逸蒼(英太郎)の弟宛書簡を閲覧し、かつデジタル化を遺族に依頼することができた。すでに、内容の一部は論文等で発表しているが、今後は遺族の同意を得て、翻刻と注釈作業を行いたい。シアトルのレニア吟社や北米川柳社関係者からは同人が所有してきた句集、ロサンゼルスの川柳関係者から強制収容所時代に作成された作品や額など、JICA横浜海外移住史資料館に寄贈の仲介を果たすことができた。この他にも、個人所蔵の句会記録、主幹の書簡類、句会誌などを閲覧コピーした。また、ワシントン州ヤキマ市博物館日系人特別展示準備作業に助言した。 ペルーに関しては、ペルー日本婦人会文芸部短歌研究会関連の史料とともに、同会により発行された都合六冊の短歌集、ならびに、短歌研究会の入選歌を掲載した『ペルー新報』の記事などの収集を実施した。これらの史資料から、短歌研究会の成立から終焉までの軌跡を婦人会の構成員の変化に関係づけるとともに、そこでの活動の主体の変遷を戦前期の日本語教育との関わりで議論することができた。 *日本語新聞文芸欄:日米新聞、新世界新聞を通覧し、短歌、俳句、川柳を収集、入力作業を行った。通覧の結果、これまでの日本人会関係者が作成した移民史の通説とは異なる新たな発見があった。 *成果発表:日本人移民の詠んだ作品や同人会について考察した。 今後も収集した新聞記事や同人誌の内容の分析、書簡の翻刻等を継続する。
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