研究課題/領域番号 |
22510277
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
阿部 珠理 立教大学, 社会学部, 教授 (50184213)
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キーワード | 部族大学 / 部族語教育 / 伝統教育 / 近代教育 / ラコタ / ロースバッド |
研究概要 |
本年の研究課題の主要部分、1.ローズバッドインディアン保留地のシンテグレシュカ部族大学におけるラコタ語教育プログラムの展開とその成果、2.ラコタ学部における民族文化教育の実態と成果、3.リーダーシップ養成プログラムの実態と成果、4.部族大学教育とメディスンマン・部族長老との関わり、5.ラコタアートの内外への発信とアーティスト支援形態、6.民族の祭典ローズバッドフェアへの関わりと支援の実態のそれぞれを検証することを目指した。1.に関してプログラムの全域-教科内容、受講生・講師陣の質量、達成度の測定など概ねの検証を終え、このプログラムが初等・中等話者の産出に一定程度の成功をおさめていることが明らかになったが、同時にこれら話者のレベル維持をはかるフォローアッププログラムの欠如が今後の大きな課題であることも判明した。2.に関してはラコタ学部の講師陣・学生へのインタビュー調査の結果、学生のラコタ・アイデンティティの止揚に大きな成果を生んでいることが明らかになった。4。に関しては、メディスンマン・長老が関わる大学プログラムの詳細が明らかになった。また大学関係者・メディスンマン・受講学生へのインタビュー調査を通して、大学という近代制度の中で、伝統的スピリチュアリズムが大きな齟齬もなく受容され、部族文化の酒養に重要な役割を果たしていることを検証できた。6.に関しても、具体的に財政的および人支援の実態を検証できた。3.と5.に関しては、やむを得ない事情による研究者の渡米時期の変更により、充分な検証が完了せず、本年度以降の取り組みをしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
父親の緊急入院に起因する渡米時期の変更と渡米期間の短縮
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今後の研究の推進方策 |
24年度は予定通り23年度の調査項目のフォロー調査を行う。その過程で23年度の調査課題3.リーダーシップ養成プログラムの実態と成果、5.ラコタアートの内外への発信とアーティスト支援形態の検証を完了する。
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