研究課題/領域番号 |
22510280
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
石山 俊 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (10508865)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 砂漠化 / 干ばつ / アフリカ / 半乾燥地 / 農耕民 / 家畜飼育 / 生業の多様化 |
研究概要 |
平成24年度における現地調査予定地の治安状況悪化のため、同年度の現地調査を次年度(平成25年度)に繰り越しをおこなった。したがって平成24年度は文献調査と成果発表を中心に研究活動をおこない、アフリカ、サハラ南縁の半乾燥地域における干ばつ状況下での、「なりわい」の特性を特に農耕民社会に焦点をあてて考察した。その結果、農耕民による家畜飼育の常態化など、生業の多様化に関する顕著な傾向が認められた。 文献調査および成果発表においては、研究対象地域のみならず、アフリカ、中東、南アジア乾燥地における「なりわい」とその変容、変容の要因に関する情報を収集するとともに、それらの地域を考察対象とする研究者との意見交換もおこない、研究対象地域との相違点を比較しながら最終年度に向けての研究成果のまとめと今後の研究の方向性について研究を進捗させた。 平成25年度に繰り越した現地調査は予定通り行われ、アフリカ半乾燥地における複合的なりわいに関するデータを収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間を通じて、継続的な文献調査、3回の現地調査、学会および研究会における成果発表、論文執筆などおおむね当初の計画どおりに進捗してきた。 またNGO等との協働による研究の推進、研究成果の共有等もおおむね順調に進められてきた。 ただし、調査地の治安悪化に対する懸念があり、平成23年度に行う予定であった現地調査を平成24年度に繰り越した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究の結果以下の2つの観点を加え、今後の研究を展開していきたいと考える。1.2000年以降、アフリカ乾燥地においては、多雨と少雨が交互に現れる「極端気候」の傾向が顕著になってきている。そこで干ばつ状況のみならず、多雨状況下の「なりわい」についても考察を深めること。2.サハラ南縁のみならず、同様に「極端気候下」にある南部アフリカ、南アジアなどの諸地域との比較によって、それぞれの地域における「極端気候」と「なりわい」に関する地域間比較を行うこと。 地域間比較のためには、個人研究では不十分で、アフリカ、アジア等の熱帯乾燥地を研究対象とする研究者らとの共同研究をおこなっていく必要がある。
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