アフリカ半乾燥地特有の、激しい気候変動下で営まれてきた、農耕民のなりわいとその現代的な特徴を考察することが本研究の目的であった。 3回の現地調査、および文献調査の結果、アフリカ、サハラ南縁の半乾燥地農耕民社会において、生業の多様化が進んでいることが明らかになった。生業の多様化とは、ヤギを中心とした家畜飼育、金鉱への出稼ぎ労働、乾季における小規模な淡水漁労活動である。 中でも家畜飼育は、この地域の干ばつ傾向が始まった1970年代頃より導入され、その背景には干ばつに起因する牧畜民の南下があることが明らかになった。
|