本研究は、企業における女性のキャリア形成と昇進のジェンダー差を、日仏企業と両国の女性へのライフ・ヒストリーのアプローチを用いて得られた質的データを中心に比較した。両国ではマネジメント層への進出の男女差が存在していたという共通点があるものの、国の女性施策、企業の女性活用の推進、女性自身の自律的キャリア形成の意識と行動という 3 点で、近年のフランスは大きな変化を遂げ、マネジメント層への女性の進出が進展している。日本においてマネジメントとジェンダーの問題をより広い視点からとらえ、女性の活躍を様々な角度から更に推進する方策の必要性が見出された。
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