研究概要 |
ワシントンの国立研究カウンシルのイニシアティヴで過去2年間(CPSTからの継続と考えれば3年間)のまとめとして、2011年4月にワシントンで開催された国際ワークショップのサマリー出版に向けて、昨年に引き続き2012年度初めは協力した。完成したBlueprint for the Future: Framing the Issues of Women in Science in a Global Context は、当初の予定を大幅に遅れて、2012年秋に出版となった。 本科研費の成果である、化学、コンピュータ科学、数学の女性研究者に関する歴史的研究は、Blueprint for the Future の付録として掲載されている。また第1章の担当者を代表して小川がプレゼンを行った。科研費の当初の予定では、本研究の正規の図書を翻訳することをめざしていたが、本格的な著作の出版は2013年にずれ込むことになった。そのため、ワークショップのサマリーを翻訳した。サマリーと言っても115頁あり、これらの分野の女性研究者について、ほとんど手つかずの我が国においては、今後の研究の第1歩になるであろう。 我が国におけるこの分野の一番の問題は、これほどのICT時代になっても、コンピュータ科学の各分野や男女の構成人員数などを抽出できないことである。EUの統計資料She Figures では、理学系は Science, Mathematics & Computing としてくくられているが、わが国では教育学部の情報教育や、工学部の情報工学などに分かれて取り組まれていて、理学系には存在しない。したがって、男女の比率も捕捉しようがない現状である。
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