本研究は、新生殖技術の倫理的妥当性を検討するために、主として新生殖技術に対する男性の意識を「自然」という指標で問う調査を行った。この調査結果とこれまで行ってきた女性の意識とを比較検討し、新生殖技術が「自然/自然でない」と認識されている要因を検討している。さらに、生殖技術の倫理性を検討するにあたり、「生まれること」の存在論的検討を行った。前者の600名の男性に対して行われた調査から、男性は女性に比べて「技術による生殖」に対して「自然でない」と意識していることがわかった。さらに男性にとって生殖が「女性の問題」とされていることを確認した。後者の研究結果は論考に譲る。
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