研究課題/領域番号 |
22510293
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
宮崎 聖子 福岡女子大学, 文理学部, 准教授 (70401601)
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研究分担者 |
松沼 美穂 群馬大学, 教育学部, 准教授 (40438304)
吉田 信 福岡女子大学, 文理学部, 准教授 (60314457)
上杉 妙子 専修大学, 文学部, 兼任講師 (90260116)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 植民地 / 婚姻 / 法制 / 慣習 / 混血 / 人種 / 兵士 / 境界 |
研究概要 |
本研究は、研究分担者の担当地域について、植民地と婚姻をめぐる法制・慣習を研究し、相互参照しようとするものである。 上杉は、英国の植民地統治その他海外権益の防衛において重要な役割を果たした英領インド陸軍に焦点を当てて、19世紀の植民地インドにおける英国人将兵及びグルカ兵(ネパール人兵士)の婚外性関係と婚姻規制に関する研究を実施した。研究の結果、婚姻規制が植民地における社会的境界や軍事的効率に関わっていることが明らかとなった。 吉田は蘭領東インドについて資料収集し、オランダにおいて婚姻法制にかかわる重要文献を入手した。この資料により現地住民とヨーロッパ系住民との通婚にともなう国籍/市民権,並びに民事上の様々な権利関係の変更に対する規則を詳らかにすることが期待できる。研究発表に関しては、ライデン大学比較法研究所で開催されたシンポジウムにおいて、蘭領東インドにおける日本人の法的地位について報告する機会を得、植民地法を専門とする研究者と情報を交換した。 松沼は、フランス領植民地における混血児に関する法制度について調査・研究を行い、ヨーロッパ人アイデンティティの構築と植民地的要素の関連性という観点から論文をまとめた。また国際植民地研究所(ICI)について、植民地に関する国際的知の交流という観点から、その牽引者の一人、フランス人シャイエ=ベルについて考察した。 宮崎は日本の植民地台湾について、資料収集・分析をすすめた。台湾総督府は1930年代前半までは日本人と被植民者(中国系住民とオーストロネシア系の先住民)の婚姻により、統治を円滑化しようとの意図を有していたが、日中戦争の開始とその後の戦争激化により、兵士確保の必要から、婚姻よりも日本語教育による被植民者の「日本人化」に重点をシフトしたことを明らかにした。これにより、英国、オランダ、フランスとも異なる植民地統治の様相が浮き彫りにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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